「いいか、大人しくしてるんだぞ」


ワゴンだけ中に入れろ、と命じられた男が開錠する。

ドアが開く気配がして、緊張のあまり、んぐ、と喉が鳴った。

チャンスかもしれない。
殴られるかもしれないけど……今なら……



と、覚悟を決めた時。


「うわぁああっ!」


突然聞こえたのは男の悲鳴。






ガチャーーーーン!!


大きな音が耳に届いた時にはもう、ワゴンになぎ倒された男が床で完全に伸びていた。

「なななななんだ、お前、何をっ……」