長い廊下は、どこまで行っても終わりが見えない。
同じようなドア、ドア、ドア……
まるで迷路に入り込んじゃったみたい。
ふかふかの絨毯に足音が吸収され、辺りはシンと静まり返ったまま。
客室の中に人がいるのかどうか、それすらわからない。
ドキンドキンて、自分の心臓の音ばかりが大きく響く。
どうしよう、とっさに右を選んじゃったけど、左の方がよかったのかな。
どこかの部屋をノックしてみようか……
心配になり始めたタイミングで、ようやく白く輝くエレベーターホールが見えた。
助かった!
泣きそうになりながら駆け込んで、震える手で下矢印のボタンを連打する。
お願い、お願い……
早く来て!!
早く……!!


