なんて綺麗な目……

それは、とても神秘的な色だった。
深い深い森の奥、サンクチュアリを覗いてるような。
どこか懐かしさを感じるような……

……あれ?
初めて、だよね?

ふと脳裏を不思議な感覚がかすめた気がして、何度か瞬く。

変だよね。だってわたしたちは初対面で……
なのに、“懐かしい”って思うなんて。

え、もしかしてほんとに、どこかで会ったことが……




RRRR……


奇妙な沈黙を破ったのは、聞き覚えのある着信音――わたしのだ!

再生ボタンを押したみたいに、蝉の声や車のクラクション、街頭ビジョンの音がどっと蘇る。
同時に、まるでキスシーンが始まっちゃいそうな態勢の自分たちに気づいて、ギョッとした。

ちちち近い近い!
狭い空間で身体をひねるように横を向き、ぷるぷる全力で首を振る。

「や、やっぱりカン違いされてると思います。全然記憶にな――」


「……ざーんねん。もう少しで落ちそうだったのに」


「……は?」