それから2時間弱。
わたしたちは文字通り、“片っ端から”アトラクションに乗りまくり……
「もう一回行っとく?」ってジェットコースターを指して上機嫌で言う彼を無理やり引っ張って、メリーゴーランドにたどり着いた時には、最初の高揚感はどこへやら、グッタリゲッソリ疲れ果てていた。
で、結論。
ジェイは、ドSだ!
――ぅぎゃああああっ!!! 回さないでええええっ!
彼の手を断って一人で馬の背によじ登りながら、自分の(女子にあるまじき)悲鳴を思い返して、わたしはこめかみを押えた。
あの男、ティーカップは涼しい顔して容赦なく回してくるし。
バイキングやウォータースライダー、ジェットコースターは……
――オレ、ここ座りたい。こっちの方が景色良さそう。ユウはそっちね。
とか言いつつ、勝手に席を決めて。
(絶対怖い方をわたしに押し付けてたと思う!)
あげく、
――どうだった? 景色、よく見えた?
終わってからヘロヘロになって聞けば、
――んー、怖がってるユウが面白すぎて、他はよく覚えてない。
とか笑ってるし!
――今度はちゃんと景色見るから。もう1回行こう!
って同じヤツ、2回も3回も乗りたがるし。
最初はハイハイって言うこと聞いてたけど、このままじゃ絶叫系のエンドレスだってようやく気づいて。
やっと自分の希望スポットを主張し、今メリーゴーランド……あー疲れたぁ。
そうしてグタって鬣に倒れ込んだタイミングで、ファンタジックな音楽とともに周囲の景色がゆっくりと回りだした。


