とある日の放課後。

俺は、今日もデジカメに付いた紐を首にかけて学校中を歩き回る。

……今、新聞のネタが全くなくて困ってます!!

俺は、新聞部部長。毎月、学校で起こった面白いエピソードや小さな事件とかを新聞にまとめて学校中に貼ってるんだ。

「……今月のネタ、1つもないな……ん?」

近くからガラスが割れる音が聞こえてきて、俺は音がした方向に向かって階段を降りると、そっと廊下の方を覗いた。

「……」

そこにいたのは、覆面を被った男性たち。その男性の近くには、剣道着を着て竹刀を片手に持った女子生徒がいる。

……面白そうなネタ、はっけーん!!

俺はカメラで、男性たちの写真を撮った。男性は、立ち上がると女子生徒に向かって走り出す。

「そこを退け!俺らは、強盗団だ!!」

竹刀で男性を叩く音が、校舎内に響く。それを合図にするように、男性たちは走り始めた。

ピーンポーンパーンポーン

『部活等で学校に残っている生徒の皆さんにお知らせです。この学校に、強盗団が逃げ込みました。さぁ!君たちが鍛え上げた部活の力を、強盗団の方々に見せつけましょう!!』

「何でそうなる!?」

俺は、突然の放送にそうツッコミを入れてしまった。

「……とりあえず、俺は強盗団を追いかけますか!」

俺は、カメラを片手に微笑んだ。