瞳の奥

あれから暫くしてから出たら晃輝くんが待ってくれていた。

「もう良いのか?」

「うん、大丈夫。戻ろっか。」

私達は、皆の元に戻りそれからは皆の近況話したり、一時期の毎日のようにいろんな男性が来ていた時の話をしていたら、既に夕方になっていたのでお開きとなった。

「明日からまた仕事だし、今日は帰るか。」

「麗奈は、この後どうする?」

「私も疲れたから家で休みたいけど、、」

私がお兄ちゃんの方を向いたことに一早く気がついた晃輝くんが察したのか続けて言った。

「隼人、お前いつまで日本にいるんだよ。」

「事件が解決するまでは、こっちにいるよ。それに麗奈の花嫁姿も見なきゃいけないからな。」

「じゃあ、また皆で会う段取りを決めて貰うか、蓮に。」

皆それぞれ帰っていく。私は蓮が家まで送ってくれると言うので家まで帰るのだ。

「なぁ、麗奈。」

「うん?どうしたの?」

「いや、何でもない。また連絡する。」

「解った。送ってくれてありがとう。蓮もちゃんと休むんだよ。おやすみ。」

「あぁ。」

蓮の車が走って行くのを確認した私は郵便受けから例の物を取って家に入った。

私は、すぐそのUSBの中身を開いた。
すると、いつもは動画だったけど今回はメモ帳に詳細を書かれていたので読み始めた。

書かれていたのは、深夜1時に1台のワゴン車を私の家まで送るので、それに乗ること。
乗った後は目隠ししてもらうこと。携帯の電源も切ること。
服装等は自由で良いし、警察に必要なものも持っていって良いらしい。

私はご飯食べて風呂入って時間になるまで資料見て時間を潰した。
約束の10分前には身支度も整え、予定の時間にマンション前に出ると約束のワゴン車が止まっており、前にはいかにも悪そうな若い男性が二人いた。

「貴方が、吉岡麗奈さんですね。」

「はい、そうです。」

「こちらに乗ってください。ボスまでお連れ致します。」

「ありがとうございます。」

私は約束通り携帯の電源を切って目隠し去れた状態で車が走りだした。