瞳の奥

車は30分程で目的地に到着した。
そこは、晃輝くんの家が経営しているビルだった。車は地下駐車場に泊め、蓮は電話し始めた。
数分後、車前まで晃輝くんが来たことを確認した蓮はエンジン止めて降りた。
私とお兄ちゃんも車から降りて、晃輝くんの後を着いていく。

着いたのは最上階の部屋で中に入ると翔お兄ちゃんもいた。

「ようやく来たか。」

「アホ、時間通りだろーが。」

蓮とお兄ちゃんは慣れたように近くのソファーに座る。私は、この状況について行けずに固まっていた。

「麗奈もおいで。」

蓮に言われたので、そのまま蓮とお兄ちゃんの間に私も座って様子を見ることにした。
ソファーがフカフカで気持ち良いのはここだけの話だけどね。

「翔、頼んでいた物の解析はどうだ?」

「出来る範囲は終わってるぜ。」

翔お兄ちゃんは、操作していたパソコンの手を止めて自慢げに答えた。

晃輝は人数分のお茶とお菓子を持ってきて近くのソファーに座った。

「この5人が揃ったのって10年ぶりぐらいか。」