|麗奈 side

『あなたみたいな人が蓮くんと話してることは許されないことなんだから。
蓮くんは私のものよ。』

『蓮くんに近づかないで。』

昔の夢だ。私がまだ中学生の頃、蓮のファンクラブの子達から虐めを受けていた。
親にも蓮にも相談するきになれなくて、毎日近くの公園で泣くのが当たり前になっていたが、ある日その姿を蓮に目撃されたのだ。

学校は初等部から大学まである有名な学校で、世間ではお金持ちエリート学校とも言われてる有名なところらしい。

本来なら、私の家庭なら入ることも難しいのだが、蓮の父親が全額負担するから同じ学校に入って欲しいとお願いされて入ったのだ。
その事は、私と蓮の家の人間のものしか知らないから、学園長までもお嬢様と思われていたのだ。

それもそのはずだ。
兄の隼人、蓮、晃輝くん、翔お兄ちゃんの4人は常に一緒にいたからか御曹司として優遇されており、その妹と婚約者なのだから、凄いお嬢様だと思われていたのだろう。

婚約者だからといって、ファンクラブの子は私のことを気に入らないみたいで暴力振られたり、生ゴミを撒き散らしたり、思い出すだけで吐き気がする程、いろいろされて来たのだ。

『麗奈、なんで泣いてるの?何かあったの?なんでも相談して欲しいよ。俺は麗奈の王子様だから、味方だから。』

『ううん、何も無いから。大丈夫だから。』

その日以来、蓮は人前では冷酷な俺様となり学校までも牛耳ることになっていった。