Tear Flowers〜新しい道の始まり〜




その後、フィオナたちは様々な国の料理が楽しめるサルビアとシオンがおすすめする店に行き、おいしい食事を楽しんだ。

食事の最中、色んなことをみんな話し、フィオナは仲間のことを知ることができた。

そして違法売買事件から一週間ほど経った頃、捜査チームの部屋にいたフィオナとエヴァンにシオンが声をかける。

「捜査チームの協力者が情報をくれた。××の裏通りで変死体が発見されたらしい。何でも、遺体には黒いバラの花びらが散らばっているとか……」

その言葉を聞いた刹那、フィオナの瞳が大きく開かれる。思い出すのは、事故で亡くなり、冷たくなった家族の遺体だ。あの遺体にも黒いバラの花びらが散らばっていた。

「サルビアと一緒に現場に行ってほしい。今なら他の捜査官は来ていない」

シオンがそう言った直後、フィオナは勝手に動いていた。「早く行きましょう」とエヴァンとサルビアの手を掴み、車に誘拐犯のように押し込む。