男性はとても背が高く、白い髪に紫の目をしていた。アルビノというものだろう。どこか緊張した様子であちこちを見ている。

女性の方は黒くて長い髪を束ね、黒い瞳は凛として落ち着いている。肌の色がこの国の人間とは違う。東洋人だろう。男性よりもスーツを着こなしている。

「初めまして、私はシオン・アカツキ。フィオナ・カモミールさんであっているかしら?」

シオンにそう言われ、フィオナは「どうして私の名前を?」と無表情で訊ねる。すると男性が口を開いた。

「僕の名前はサルビア・ホープと言います。僕とシオンさんは、事件の捜査を行う捜査官です。フィオナさんとエヴァンさんに協力してほしいので、ここに来ました」

「協力?」

エヴァンが呟くと、シオンが「君たち二人は特別な力があるだろう?その力を貸してほしい」と言った。エヴァンは「どうしてそれを!?」と驚く。フィオナは自分の力をエヴァン以外に話したことがない。

「フィオナは「真実の一部を見る力」を、エヴァンは「動物の声を聴く力」を持っているでしょう。私とサルビアもそういう力を持っているのよ」