プシューッ 電車の扉が開いて、みんな一斉に電車の中に入っていく。 私と花楓は、見事に座る場所をゲット。 向かい合われで座れる、4人用の個室のような席だ。 「ラッキーだったね! ……変なオッサンの隣とかじゃないし……」 花楓はそう言って、ははっといたずらげに笑った。 …いや……。 「オッサンと同レベルのやつが、こっちに向かって走ってきてるよ」 私は、走ってくるとある人の姿を見て言った。