瞳を見開いて、私の見上げた瞳を見つめたまま。




掛け時計の針の音が、カチカチと静かな空間に私の鼓動と重なって。




共鳴している。







「…まだ…はっきりした答えは…出せない。だけど…だけど…」





沈黙が苦しくて、言葉を発したのは私だった。





上手く伝えられず、言葉を探している私の身体は…




また淳平さんの腕の中にすっぽりと、




包まれていた。






「本当に…いいんだな?」





伝わってくれていた私の気持ちに、




今更、拒む言葉なんて見つかるはずもなく。





コクコクと頷いて、顔を上げた瞬間に。






男らしい節がしっかりある指が、



顎を捕らえて唇が重なった。





すぐに離された唇が、



また重なってゆっくりと…見開いたままだった瞳を閉じる。







抱き上げられた身体は、水色のシーツの上に降ろされて。





その上に、淳平さんが覆い被さった。






重なり合う瞳、重なり合う唇。




私の身体はガチガチに固まったまま。




手を取られ、




顔の横で強く絡めるように握ってくれた、




手の温もりで力が抜けていて。





キュッと結ばれていた唇は、安易に淳平さんの舌の侵入を許していた。






つい逃げてしまう私の舌は、簡単に絡め取られて。





絡み合う舌の動きが、唾液の混じり合う音が、




甘い痺れを誘う。







「もう…離してちゃやれねぇよ。後悔しないか?」






薄茶色の瞳が甘く揺れて、髪を梳かす。






後悔しないと言ってしまえば、嘘になる。




だから、





「たぶん…しない…」






そう、答えれば。





「たぶんって…何だよ。後悔したって言われても離す気はないぜ。自ら、この腕に飛び込んで来たのはお前だ…今までにないくらい感じさせてやるよ。」






後悔させない、と言った口の口角を緩やかに上げた。





私を見つめる瞳に、欲の焔が揺れていた。