謝罪の言葉を発していた。




謝って許される事じゃないのに。







「彩芽、顔上げろ。」






いつもの優しい声が頭上から響いて、




恐る恐る顔を上げると、淳平の温かい指が涙を拭ってくれている。







「引きずってるってわかっていて、手を出したのは俺だ。お前たちは悪くねぇよ。」






大きな手が頭を撫でられて、




それは…違うって意味で、首を大きく横に振ると。






「最後まで、聞けよ。」





と、言葉を続けた。






「前世で…結ばれなかったお前らが現世でやっと結ばれたんだ。お互いに探してたんだろ?お互いが想い合ってるってのはわかってたんだ。だから、まだ繋がってるって気付いた時は…妙に納得出来た。それで、直哉の事情も知ってたし、直哉を選ぶなら今度こそ諦めようと腹を括ってた。」






本当に、この人は温かい人。




そんな温かさに、甘えてた私はどうしようもないくらい馬鹿だ。






「さっきは、カッとなって…あんな事を言っちまったけど。直哉は真っ直ぐで熱くて…信念を貫けるいい奴だ。もし…彩芽が直哉を選んでも今度は大丈夫だ。」







溢れて止まらない涙をそのままに、




直哉に視線を移すと。




両手の拳を震わせている。