それから、私と直哉は時間が許す限り。





私の家で……身体を重ねていた。





淳平への罪悪感を胸の奥に、隠しながら。








そんなある日。




久しぶりに淳平の店に来ると、



誰もいない店のカウンターの前に立ちながら、



淳平と直哉が張り合っていた。





会議ですっかり遅くなったから、



もう直哉は帰ったと思っていたから……




この光景に息を呑んだ。







「淳平さんは、彩芽が居るのにどうして…客の誘いを安易に流すんですか?ハッキリと断ればいいでしょ?」







「客だぞ、はっきりと断れるかよ。安易にだろうが断ってんだから…いいだろ?お前こそ、人の女に手を出してんじゃねぇか!」






「…っ…どうして…それを…」






知られていないと思っていたんだろう。



直哉は、目を見開いたまま…




同じく知られていたことに驚いて、




瞳に涙を浮かべる私の存在に気付いてさらに、瞳が見開かせた。







今まで自分に突き刺さっていた視線がずれたことに、




気付いた淳平が直哉の視線を辿るように、振り返って…私と瞳が合わさった。






その瞳は、今まで見たことがない冷たい瞳で。




咄嗟に逸らしていた。






淳平は知ってて知らないふりをしてたんだ。




それは、淳平を傷付けて…苦しめていたんだ。





グズグズと引きずって、関係を裁ち切れなかった私が…私が…






「…ごめんなさい…ごめんなさい…」






目の前に影ができて、見なくても誰かわかる。