直哉には私から話す、と淳平に伝えたけれど……





なかなか話せずにいた私は、




店には行かなくなった。







まだ、私が伝えてなくて…そうしてる事は気付いてたと思うんだけど。




淳平は何も言わなかった。





それが、逆に心苦しくて……




直哉に伝えようとして、




二週間が経とうとしていた休みの日に会えるか、聞こうとした矢先に。





直哉が、私の家に置いたままの荷物を取りに来るって。




連絡があって、家にやって来た。










「俺、卒業したら実家の稼業を手伝う事になったんだ。だから…遠距離になるのが、嫌で彩芽を振ったんだ。でも、自分で振ったくせに後悔してる。別れて始めて気づいたんだ…彩芽の存在の大きさに。やり直したい、だめかな?」






って…逆に言われてしまって。






「…ごめん…彼氏が出来た…」





そう伝えると、直哉の瞳は切なく揺れていた。




「彼氏って…もしかして、淳平さん?」






気付いてたの?




いつから…?





答えられずに…下を向いてしまった私は、




そうだって言っているようなもので。






「やっぱり…」





直哉が、呟いてから長い沈黙が流れた。





何も言えなくて……




ごめん、と小さな声が漏れた。






「どうして…寄によって…淳平さんなんだよ…」





そう、呟かれたと同時に唇が塞がれた。





身体を突き放して、





「…やめてよっ…」





と、拒絶の言葉を発したけれど。





身体は絨毯の上に倒されていて両腕は、




顔の横で押さえつけられた。





そして、唇が首筋に落ちた。






「…っ…いやっ…やめてっ…」





抵抗の言葉も虚しく、





頭の上で一纏めに腕を掴みながら、シャツブラウスのボタンが片手で引きちぎられた。





ボタンが飛び散って行くのを、他人事のように見つめていると……




シャツブラウスを背中から頭の上まで上げられて、長い服を利用したのか、腕を縛られていた。





直哉の手と唇が首筋から、鎖骨に下りて来た辺りで動きが止まった。





その視線の先に見ると、淳平さんの所有者の証が…幾つも点在していた。