今日は、高校の入学式。私はいつも陰に居るような子だから特に楽しみなことは無いけれど、高校は勇気を出して友達を作ってみようと思った。

 学校に着くと、もうグループは出来上がっていた。また友達が出来ずに陰でひっそりと生活するんだと考えると、少し寂しい。人の輪に入れずに、静かに読書をしていた。
 「あら、茜。高校も一緒なの?」
聞きなれた声がして上を向くと、中学の時も一緒の百合がいた。前まで仲の良かった子だ。でも、いろいろ事情があってそこから嫌がらせをしてくるようになった。
知ってる子がいない学校にしたはずなのに、どうしているんだろう。もう、あんな目には合いたくない。
 「え、なんで、、、。」
 「ごめんね?嫌だったよね~。また、おんなじ目に合うとは思ってなっかたでし            ょ?ざんねんだね~。」
また静かにしてないと、同じ目に合う。人と関わらないようにしないと。百合はそれだけ言って去っていった。ちょうどタイミングよく、隣の席の男子が来てしまった。彼は私を見つけた瞬間話しかけてきた。
「おはよう!俺、草月 瞬って言うんだけど、よろしくな。で、名前は?」
「あ、あ、、えと、、、」

だめだ上手くしゃべれない。どうしよう。学校で自己紹介するなんて、久しぶりすぎて、何て言えばいいかわからない。嫌われて、いじめられたらどうしよう。それしか頭になくて、話すだけで苦しくなる。
「大丈夫?」
「ご、、ご、、ごめんなさい!」
誰もいないところに行って落ち着こう。私は、友達なんて向いてない。そう思い、屋上まで走ってきた。
      ガチャ
誰か来た?後ろを振り返ると、瞬君がいた。
「どうしたの?大丈夫?良かったら話聞こうか?」
「あ、えと。遅れちゃうよ?にゅ、入学式。」
「まだ時間あるし、話してみたかったからさ。」