歩くこと数十分
着いた先はカラオケだーーー
なんかドキドキしてきた
「何そんな目を輝かせてんの?そんなに楽しみ?」
店内に入るなり目を真ん丸にして
辺りをキョロキョロ見回している
私を見て帝が呆れたように笑う。
「いや、確かにそれもある!!あるけど……初めてだから!!」
私は目をキラキラさせたまま
興奮気味に答える
「え?何?」
イラッ
「初めてだから!!」
「うん…え?」
イライラッ
「いや、初めてだから!!!」
「だから、うん…。え?何が?」
イライライラッ
「だーかーらっ!カラオケに来たのが初めてだって言ってんだろぉーーーーーがっ!!!!」
何回言わせんだボケ!!!
何度も同じ事を繰り返し聞かれて
イラついた私は激しく怒鳴り散らした
そして心の中で地味に悪態もつく。
「あー、そういうこと……ってえぇええええぇええええーーーーーっ!?」
驚いた拍子に彼が出した声は
私の怒鳴り声よりも高く響き渡った。

