「うげぇっ!?」


見事命中



「まったく…。僕の存在を忘れるなんて帝のくせに生意気だよね」





いやいやいや



君には言われたくないだろ
むしろ君が一番生意気なんじゃ?



目を細めて美盛を見ていたら




「何?」




と眉間に皺を寄せて
訝しげに見てくる




「あ、いや…何でもない!!」




必死に首を横に振って
なんとか誤魔化した。





「ってゆーか、何で俺1日に二回も禿げとか言われてるわけ?まあ、いいや……早く行こうか」




そう言って帝は一人
スタスタと歩き出した



「クスッ……ほんっと帝って自分勝手ですよね」



西谷が笑いながら帝の
後についてゆく



それにみんなも続くが
私は一番後ろから
それをボーッと眺めていた。




それに気づいた萌奈が



「花音っ!置いてくよ~?」




と笑いながら手を振る。





「あ、ごめん。今行く!!」




いつの間にこんなに
みんなの事を好き…
いや、大好きになって
いたんだろう?



この子達がいなければ
きっと私は暗い闇の中を
ずっと、さ迷ったままだった




ありがとう!!!





“いつまでもこの幸せが続きますように“





そんな願いを胸に秘めながら
私は彼らのもとへ足を走らせたーーー