西谷が苦痛を交えた笑みで
バトンを差しだし
私はリードゾーン
ギリギリまで粘る
そしてついに、それを手にして
私は走り出したーーーーー
全力疾走(のつもり)で走る
1位との差は開くものの
なんとか後ろには
抜かされずに済んでいる。
このまま終われっ!!
そう願った刹那
事件は起きたーーーー
グキッ
え?
足を思い切り捻り
体が前のめりになる……
そしてそのまま
派手に転んだーーー
4組はそれをただ
呆然と見つめていて
それを嘲笑うかのように
他クラスが騒ぎ出す
「花音!!」
その瞬間、私のもとへ駆け寄ろうと
足を動かした奴がいる
私はそいつに思い切り叫んだ
「来るな!!!今行くから待ってろ!」
帝は足を止めて
もとの位置に戻る
私は即座に立ち上がり
バトンを握って再び
走り出した。

