恋歌-Renka-




「そう……ですか……」



悲しそうに小さく呟いて
私から手を離す…




そんな彼の表情は
とても切なそうで




なんとも、いたたまれない
気持ちになるーーー




人の告白を断るって
こんな感じなのか?




私にはどれも全然わからない。
初めて過ぎて理解できない。




「ごめ………」



「でもっ!」




私が謝ろうと口を開くと
西谷がそれを止めるかのように遮る。





「でも、諦めませんから」




さっきの悲しそうな表情が
嘘のようにイタズラに笑う




そして、そのまま何処かへ
歩いて行ってしまった。





残された私は、彼の後ろ姿を
ただ、ぼーっと眺める
事しか出来なかったーーーーーー。