*涼太 side*
体育祭の練習が終わり
みんなが帰ったあと
一人ポツンと空を見上げている
俺の大好きな人……
「帰ろ?」
俺の言葉を聞いて
ゆっくりと振り返る
そんな彼女のもとへ
自然と足が動く。
「あのさ…。この間の続きなんだけど……」
いや、帰ろとか言っといて
何、話始めてんだ自分…
とは思うけど
周りに誰もいなくて
辺りは暗く月明かりが
彼女の頬をそっと照らしている
そんな愛しい彼女の顔をみたら
言わずにはいられなくなるわけで
自然と口が動いてしまった。
「この間の続き?」
と首を傾げる彼女の姿も
可愛くて仕方がない。
「いや、だからその…」
恥ずかしくて上手く話せない…
「ん?なに?」
不思議そうに聞いてくる花音
普段、素直になれないぶん
言うのは今しかない!!
「俺は花音がす……」
「あっ、いた!」
俺が意を決して言いかけた
まさにその時………
優樹の言葉によって遮られた
またかよ!!!
いつも何かしら邪魔が入る!!

