恋歌-Renka-





「じゃあ明日頑張ろうね~!!」



「「「おう!!!」」」





最後に円陣を組み
明日に備えて気合いを入れる。





「今日は解散!」



みんなが次々と
帰宅する中



私は一人、空を見上げる



今日は体育祭予行練習で
いつもより早く終わった
はずなのに辺りはもう真っ暗で
月明かりが地面を照らしている。




「帰ろ?」




振り向くと帝がいて
笑いながらこっちに
歩いてくる…




周りにはもう誰もいなくて
私と帝だけがポツリと
残されていた。




「あのさ…。この間の続きなんだけど……」




「この間の続き?」




私は首を傾げる。




「いや、だからその…」



いつもはムカつくくらい
憎たらしい帝が頬を赤く
染めながらたどたどしく話す




「ん?なに?」




意を決したのか急に
真剣な顔つきに変わり
口を開く………


けれど……



「俺は花音がす………」



「あっ、いた!」



その言いかけた言葉は
西谷の声によって遮られる……



ん?前にもこんなこと
あったような……