恋歌-Renka-




校庭にあるベンチに座って

はぁーっと

大きな溜め息をつく。





するとペタッと頬に
冷たい感触が走った。



驚いて顔をあげると
帝が笑いながら




「はい」




と言って差し出してきた。




私はそれを渋々受け取り
溜め息混じりに俯く。




「あのさぁ、さっきも言ったけど……」



「何だ?」



「もうちょっと自信持ったら?」




心で“さっきのは聞いてませんでした
。ごめんなさい。“と謝りながら




「自信?」




と首を傾げて尋ねる。





「いや、だからね、自分には無理だとか、出来ないって思ってたら、出来るものも出来ないってこと」




???




「つまり、俺が言いたいのは、自分なら出来るって自信を持つ事が大事ってこと。」





いや、でも実際出来ないし………



「それに妙な敵対心抱いてたら、もっともっと出来なくなるよ?」





ニヤニヤしながら
見透かしたように
笑う帝の顔は正直




「気持ち悪い」



思ったことをそのまま口に出す。




「なっ!!酷くない?イケメンを気持ち悪いって言った人、花音が初めてだよ?」



「知るか、ナルシスト。」



私の言葉にあたふたしている
帝を見るのは何だか楽しいな……。