落ち着きを取り戻した私は
「さっきは怒鳴ったりして悪かった」
今だに帝に抱き締められたまま
小さな声で言う。
「あ、あの……。離してくれないか?」
気まずくて上手く話せない。
私の言葉を聞いて
ゆっくりと体を離す
でも肩をしっかりと
掴んだまま私の顔を見る
なんだか気まずくて顔を反らしたが
肩から外した両手で私の頬をつかんで
もう一度自分に向け直す。
「俺は………」
それだけ言って
しばし沈黙が続く
そしてまた口を開く
「俺は………」
彼が珍しく真剣な顔を
するもんだから
私も真剣な顔で彼を
見つめ返す……
「お前がす…」
「あっれぇー?涼太と花音ちゃんじゃん!」
帝が何か言いかけたところで
美盛が大きな声を出しながら
こちらに走ってきたーーーーーーー。

