その後は、軽い世間話などをして
すっかり日も暮れてきた頃
「それじゃ、そろそろ私は帰りますね」
「そうだね、長い間話し込んじゃってごめんね?」
「いいえ、私も楽しかったので」
そう言って笑う琴乃ちゃんに
同じように微笑み返す。
自分の車に向かっていく
琴乃ちゃんの後ろ姿を見て
「琴乃ちゃん!」
気づいたら無意識に
呼び止めていたーーー。
あれ?なんで?
とは思ったけれど
振り返って不思議そうに
首を傾げる琴乃ちゃんに
「また、連絡したりしてもいいかな?」
遠慮気味に問いかける。
「はい!もちろんです!また何かあれば恋愛相談なら乗りますよ!」
そんな俺をからかうように
イタズラな笑みを浮かべると
琴乃ちゃんは車に乗って
去って行ってしまった……
「恋愛相談限定なんだ」
口に出してそう呟くと
何だかそれが死ぬほど
笑えてきて……
花音、俺と出会ってくれてありがとう
俺を変えてくれてありがとう
君を好きにさせてくれてありがとう
君からたくさんのものを貰えて
俺は本当に幸せだった……。
だから君も……
天国で帝と幸せに暮らしてくれ。
愛してたよ……さよなら花音。
*遙編 end*
ー番外編 完ー

