*美保編*



もともと医者を目指して
医師免許を取ったが



涼太が医者として
立派になることを
望んでいたから



私と優樹は涼太の分まで
医者として張り切っている。



そんな我が家の息子
太音が小学校に上がった。



「お母さん……そういえば、何で僕の名前、太音にしたの?」




「あれ?言ってなかったけ?」




まだまだ、あどけない表情で
不思議そうに聞いてくる
太音に笑みを溢す。



「太音って名前はね、母さんと父さんの大切な…もうこの世には居ない友人2人から取ってつけた名前なの。」



「そっかー!じゃあ、僕もこの名前大切にする!」




そう言って嬉しそうに
笑う太音が愛おしくて
優しく、強く抱きしめた。




「お母さんくるしーよ」



「あらあら、ごめん」



私の大切な息子。
立派に育ってね…
それが私の願い。




*美保編 end*