それからすぐに
私と涼太の結婚式が
執り行われた。



歌手をやっていたこともあり
貯金はかなりあった。



車椅子の涼太に合わせて
式場も選び、涼太ママ涼太パパ
大好きな親友たちに、琴乃ちゃんと



そして遙も……




皆が私たち2人を祝福してくれたーーー。




「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」




「「誓います」」




涼太が私の指に
優しく指輪を嵌める。



誓いのキスを交わした二人。
ずっと一緒にいられますように
それが私の願い……




でも、心の何処かで
それが叶わない事は
なんとなくわかっていた。




結婚式直後
再び倒れた涼太は
また長い眠りについた。




今まで順調に良くなっていた私の体も
悪化してきていると医者は重々しく語った。



動ける私と
動けない涼太。




「ねぇ、涼太。みて……外雪が降ってる。……本当にいろいろあったけど……貴方と出会えて結婚出来て良かった。幸せよ。愛してるわ、誰よりも1番。この指輪は私の宝物。私もね、もう長くはないのよ。」



そうやって語りかける私の目から
また沢山の涙が溢れてきた。



人の涙に終わりなんてない。
涙が枯れるなんてことは
絶対にないんだと私は思う。



巡り巡って出会えた奇跡。
私は一生忘れない。



貴方と過ごした日々
笑いあった日々
喧嘩したり、バカしたり
泣いたりした幸せな日々を
絶対に忘れない。



涼太の目からも涙が
溢れてるような気がして



私は眠ったままの
彼の唇にキスをした。




「愛してるわ。涼太。」



それを聞いて安心したからか
はたまたそれが運命だったのか
ピーッと音が鳴り響く病室で
大好きな彼と手を繋いで
座ったまま私はーーーーー






深い眠りに着いたーーー。





ーENDー