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「今日はみんなありがとう。」




「いえいえ。また来るからね!」




みんなを病院の入り口まで送ると
再び涼太のもとに戻る。




相変わらず目が覚める気配はなく
綺麗な肌を指でなぞる




涼太………起きて…………




「愛してる……」





ポタッ




涙が一滴
涼太の頬に落ちる。





その瞬間ーーーーーーー
涼太の体がピクリと動いた。





「涼太?」




呼び掛けてみたが
反応はなく




気のせいか…………





そう思い病室を出ようと
扉に手をかけたその時





「か………の、んっ……」



確かにそう聞こえたーーーーーー



「涼太!?」



ゆっくりと目を開けて
私を見つめる涼太。



急いでナースコールをすると
直ぐに医者が駆けつけた



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「凄い…こんなことがあるなんて…」



医者は驚きながら涼太を見て
その後看護婦と目を見合わせる。



もう、目覚める可能性が薄いと
言われていた涼太が奇跡的に



目覚めた瞬間。




私は今もなお
一生忘れることは
無いだろう…。



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涼太が目覚めてから数日。
みんなに連絡したら
お見舞いに来てくれたり
涼太と二人で病院内を探索したり



長い間出来なかった事を
ゆっくりと着実に進めていった。



「なぁ、花音…」



「ん?」



朝の眩しい日差しを浴びながら
口を開いた涼太に顔を向ける。



「愛してる」



過去にもたくさん見た涼太の
彼の優しい笑顔で私を強く抱きしめる。




「私も……涼太愛してる。」



「結婚しようか」



「うん。よろしくお願いします。」



そんな涼太に精一杯の笑顔で
たくさんの愛を込めて頷いたーーーーー