恋歌-Renka-





「どうしよう………私のせいだ………私が花音さんの病気の事を言ったからこんなことに!!」




泣いて自分を
責め続ける琴乃ちゃん





目の前には頭部に包帯を
ぐるぐると巻いて
綺麗な顔立ちで眠る
涼太がいて………



私は琴乃ちゃんを
体から離して
眠る涼太に近づく



「ねぇ………涼太起きてよ」




「…………………」




肩に手を触れてみる
ちゃんとした人間の
温もりが彼にはあって




なのに揺すっても
抱き締めても起きる気配はない。





神様…………嘘だって言ってよ。





どうして?




だって昨日まで
あんなニコニコ笑ってて
私に腹を立てて
怒っていた涼太





どうして眠っているの?





それがどうしても
信じられなくて





だって、本来なら私の方が先に
いなくなるハズだったのに
こんなのおかしい





「花音!!」




後ろから呼ばれる声がして
振り返ると息を切らした
遙が何かを手に持ちながら
私に歩み寄ってくる






「これ、帝の。きっと、花音渡すハズだったものだと思う」






そう言って悲しげに手渡されたものは
小さなケースと一通の手紙だった。