今更何をしたって
もう取り返しなど
つかないのに
君をこんなに苦しませる
ことになってしまった
自分が死ぬほど嫌いで
…一生許せないと思う。
「遙……。涼太も失って、汐莉おばさんも父も失った私には、もう遙しかいないの……。せめてもの償いとして私が死ぬその時までずっと一緒にいて……」
また再び涙を流しながら
笑う彼女が愛おしくて
思わず抱きしめたーーーーー。
ごめん……ごめん花音
こんな最低な男でも
突き放さないでくれて
ありがとう。
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花音と一緒に暮らしている
マンションまで着くと
オートロックを解除して
部屋に入る
泣き疲れて寝てしまった
花音をベッドに寝かせると
そのまま、外の風に当たりたくて
静かに家を出たーーーーー。
家の近くにある広場につくと
その道端で嗚咽を漏らしながら
泣きじゃくる1人の女の子を見つける
普段ならそんなの
無視して素通りするのに
何故か、無視できなくて
つい声をかけてしまった。
名前も知らない彼女の
恋愛相談を聞いて
ああ、この子も報われない
恋をしているんだな
そう思ったら、ついつい
余計なことまで口走って
名刺まで渡していた。

