部屋を出てソファを
見ると遙がだらしなく
お腹を出しながら
寝ているではないか。



「遙、起きて」



そんな遙の肩を揺さぶり
目覚めるのを待つ



「んん………おはよ、花音」



寝ぼけ眼で私のほっぺに
手を添える遙



「遙、準備して。もうすぐインタビューの時間だから」



「うわっ、もうこんな時間!?」



私の言葉に慌てて起き上がり
慌ただしく準備を進めてく



私もインタビュー専用の
衣装に着替え



二人で家を出たーーーーー



ーーーーーーーーーーーーー



着いた先は会見場。


よく、政治家とか
他のアーティスト達が
記者会見やインタビューを
行う際に使われる場所。



私は控え室で遙と一緒に待っていた……




「ねぇ………」




「ん?」




隣で化粧を再確認している私に





遙が真顔で話しかける。





「本当にこれで良かったの?」



崩れることない
真剣な眼差しで
私を捉える


これで良かったのか?って………



ああ…………



「いいのよ。遅かれ早かれ引退はするつもりだったし。病気のことはファンの皆様に知られたくないから………」





「違う、そうじゃなくて……………」





話を続けようとする私の言葉を
遮って顔を歪ませる遙に




今度は私が訝しげな顔をする。





違うって……………じゃあ何?