「ああ………」





全部全部君に伝えて
私は君の前から姿を消すよ



「とにかく私はお前に出会えて幸せだった………体壊すなよ?ちゃんと御飯食べろよ?………美保と喧嘩すんなよ?」



何も言わずに
私の話を真剣に
聞いてくれる



「西谷は意外と寂しがりだから、はやく彼女が出来るといいな。まあ、萌奈と蒼は………適度に見守っといてくれ。………それからそれから………」



そんな彼の
優しさと暖かさに
ぎゅっと胸が締め付けられる



いつの間にか私の目からは
大粒の涙が溢れていて……




「何で泣いてるの?やっぱ何かあったろ?今から行くから!」



それにいち早く
気づいた涼太は
そう言ってくれたが



「違う!泣いてないっ………今は来なくていい!明日になればわかるから」




会うわけにはいかない。
明日には発つのに
今、会ってしまったら
きっと気持ちが揺らいでしまう。




「明日?明日、話してくれるのか?」




ごめんな………




「そう……明日。」




明日にはもう
居ないんだよ…





「わかった………とりあえず、今言いたい事はそれだけ?」





いや、今一番言いたいこと
まだ残ってる………





「それから………涼太。貴方を誰よりも一番、心から愛してる………ありがとう」






「俺もだよ。愛してる……」





ああ、私。
幸せだった…





「これで最後だ……じゃあな」




「あぁ………また明日な」



さようなら………最愛の人。