※花音視点





「本当に、起訴を取り消したんだろうな?」



「俺、嘘はつかないよ……疑うなら自分で確認してみたら?」




薄笑いを浮かべる
霧山に言われるまま
携帯を手に取り涼太に
電話をかけた



何回かコール音が響き
涼太が電話に出て
私の大好きな声が
受話器越しに響く……



どうやら起訴はちゃんと
取り消されたらしい。



「いろいろありがとな……じゃあ、また……」



「あ、ちょっと待って!」



涼太が電話を切ろうと
したとこで慌てて呼び止める



「ん?どうした?」



君の前から黙って
姿を消す前に
言っておきたい
ことがあるんだ………



そう………私の決意
それは大切な人たちを
守るために霧山と父と
アメリカへ発つこと…………



「私………お前に出会えて最高に幸せだった………。笑ったり泣いたり、いろいろな事があったけど、お前を好きになれて良かった………」




「何だよ、いきなり………」




私のいきなりの発言に
驚いたのか不機嫌そうに
なる涼太の声………






「いや、ちょっと言いたくなってな………最後まで聞いてくれ」





ごめん………
これが精一杯考えて
私が出した答えなんだ。