第9章 *別れ*




*涼太 side*



親父が起訴されてから
約数ヶ月が経ったーーー




「はぁ?起訴が取り消された?」





親父の言葉に
間抜けな声が出る




「俺にもよくわからん。あんなにギャーギャー騒いでたのに、急にこちらの手違いだったとか言って、社長、直々に謝られた」





眉を八の字に曲げて
顔を歪ませる親父




俺も困惑の表情を
浮かべるーーーーー





一体何がどうなってるんだ?





~♪~♪~♪~♪~♪~♪





不意に俺の携帯が鳴る
画面を確認するとそこには




花音




と表示されていた。





「もしもし」




「あ、涼太………」





なんか元気ない………?





「花音……元気ないみたいだけど…何かあった?」





「そ、そんなことないぞ!」





俺の言葉に慌てて
否定をする花音





なんかいつもと
ちょっと違う………。





気のせい………?





「何かあったなら、ちゃんと言えよ?」





「大丈夫!そ、それより……お父さんどうなった?」





「あ!それなんだけどな………起訴取り消されたんだ。」





「本当か!?」





「ああ、理由は親父にもわからないらしい……」






「そうか、良かった!!」





まるで自分のことのように
喜ぶ花音





俺の顔からは自然と
笑みが溢れたーーーーー





「いろいろありがとな………じゃあ、また……」





「あ、ちょっと待って!」





電話を切ろうとしたとこで
花音が俺を呼び止める





「ん?どうした?」





「私………お前に出会えて最高に幸せだった………。笑ったり泣いたり、いろいろな事があったけど、お前を好きになれて良かった………」





「何だよ、いきなり………」




花音のいきなりの発言に
照れ臭くなって
ついつい不機嫌気味に
返してしまう