「10………9……8………7……」




カウントダウンが始まった
みんなに合わせて
私と涼太は声を出す





「さーんっ」




「にーいっ」




「いーちっ」




「「「Happy New Year !!!」」」





そんな大声と共に
鐘の音が鳴り響く。




「年明けたな……」




「だな……」




そんなことを
小さく呟いているうちに
賽銭箱の前にたどり着いた





賽銭箱にお金を入れて
手を合わせる………




"涼太とずっと一緒に
いられますように"




「じゃあ、帰るか」




目を開けて私の方へ
顔を向けながら涼太が言う。




私は小さく頷いて
涼太と一緒に歩きだした。





しかし………




そんな私の願いを
嘲笑うかのように
運命は私たちに
イタズラをする………





ーーーーーーーーーー





神社の出入口まで
戻ってきたあたりで




「花音さん……ですよね?」




「はい……そうですけど。」





見知らぬ男の子が
私の名を口にだしながら
歩み寄ってくる




「初めまして、霧山 遙と申します。」




きりやま よう?




初めてなのに
なぜ私の名前を知っている?




「お前………誰だよ?」




私が疑問を投げ掛けるより先に
涼太が霧山を睨み付けながら
低い声でいい放った




「誰って………花音さんの婚約者ですけど?」





こ、婚約者!?





「ち、違うぞ涼太!私はこんなやつなんて知らないし、婚約者なんていない!」




涼太は私の言葉に頷いて




「嘘つくな。花音に何の用だ?」




冷たい表情のまま
霧山を見据える。