呆然と立ち尽くす先輩………
もちろん俺は花音を追いかける



「……のん」



「………かのんっ!」




俺が花音に追い付くなんて
そんなに難しいことではない。




距離が近づいて
花音の腕を掴むと



その瞬間ボロボロと
大粒の涙を見せる花音




俺は驚いて目を見開いた。




「せっかく………隠してきたのに。こんな怪力な女の子じゃ………帝に嫌われちゃう」




まるで普通の女の子のような
発言をする花音にきゅんとする。




「本当に………花音はバカだよね。俺が花音を嫌いになるわけないじゃん………」



「嘘はやめてくれ………」



「嘘じゃないし………」



そっちこそ…………
泣くのやめてくれない?



「ってか、昔から知ってるし。花音が強いってことくらい………」




「え……?」




俺の言葉に泣くのを止め
キョトンとする。




「思い出してよ………俺らが初めて出会った日のこと。俺をいじめっ子から守ってくれた日のこと………」




「え………じゃあ……お前があの時の男の子?」




目を見開いて俺を凝視する。



確かに幼い頃より
随分と容姿も背丈も強さも
変わっているーーーーー



「そうだよ………花音ちゃん」



そうやってニッコリと微笑む。



「りょ……涼太くん!!!」



そう叫ぶなり俺に抱きついてきた。