何て謝ろうーーー
いろいろ考えながら
入り口に足を踏み入れた
しかしーーー
そんな俺の決意は
目の前で繰り広げられている
事態のせいで脆くも崩れ去る。
「た、助けて帝!」
苦痛に歪んだ顔で
俺に助けを求める花音
その横で花音に
ベッタベタくっつき
しまいには抱きついている
伊里沢先輩がいる。
「………ーーーな、何してんすか!?あんたは!!」
俺は無理矢理引き剥がした。
「何って、見ての通りだけど?なんか問題ある?」
ニヤニヤと気色悪い笑みを
浮かべて、また花音に抱きつく
「伊里沢先輩!離れて下さいっ」
花音は困った顔で
先輩を一生懸命引き離そう
と頑張っている。
彼女の昔の強さは
どこに消えてしまったのか………
って………違う!
今はそんなことを
悠長に考えてる場合じゃない
「問題ある?…………って。ーーーーーー…問題大ありだろうがぁああああああっ!!!」
気づけば無意識のうちに
先輩を殴り飛ばしていた。

