親父の仕事の都合で
住み慣れた町から
知らない土地に足を
踏み入れた俺ーーーーー
新しい学校でいつの間にか
優樹と蒼という親友が出来ていた。
「お前、高校どこ受けんの?」
「え、俺ですか?聖華高等学校を受けようかと思っています」
「へぇー、俺も!蒼は?」
「奇遇だね、僕も一緒」
「まじか!?俺らやっぱ運命の赤い糸で結ばれてるんじゃね?」
「気色悪い言い方しないでよ、涼太」
蒼が俺を睨み付けながら
哀れむような顔をする。
「そういえば、帝ってモテるのに彼女つくりませんよね…」
痛いところ突かれたな……
「確かに!告られても全部、冷たく断ってるし!なんで!?好きな奴でもいるの?」
蒼が目をキラキラと
輝かせながら聞いてくる
これは誤魔化せないな
と思った俺は
「…いるよ……」
小さく呟いた。

