「え、あ……いや……あのっーー」
「用がないなら俺行くよ?」
ここで花音に優しくしてしまったら
今まで苦しみながら避けてきた
意味が無くなるじゃないか
もう、俺に構わなくていい。
「じゃあね」と残して
花音の横を通りすぎようとした時
「好きだ」
小さな声ではっきりと
そう言ったーーー
「え?」
嘘だろ?
聞き間違いだよな?
それを確かめるように
聞き返す……
「私は帝が好きだ!他の誰にも渡したくないくらい…お前の事が大好きだ……」
これは夢?
目の前で………
もう叶うはずもないと
思っていた愛しい彼女が
真剣な眼差しで
俺を
“好きだ“
と言うーーーーー