次々に運ばれて来る怪我人の数が、




乱戦を物語っていた。






歳三さんは…無事だろうか。





彼のことだ、




見送った時に私がいつものように…




すぐに笑顔で見送りの言葉を伝えられなかったから、





今日なんだと察したに違いない。






だけど、一日でも長く生きて欲しい。








そんな願いは、この時代では叶わないようで。








「月香さん、いらっしゃいますか?」







救護所として、使用している部屋の外から私を呼ぶ声がして。





入口へ向かうとーーー、







側近の方に抱えられて、辛うじて立っている歳三さんの姿があった。




すでに息は荒く……腕を伸ばすと、







「…月香…」






私の身体に、自分の身体を預ける。






倒れそうになりながらも必死で堪えて、





膝を着いて、身体を抱き抱えると、



一筋の雫が頬を流れた。