そして、休み明けには毎年…恒例の社内全体朝礼が行われた。





支社長の長い挨拶が終わり、各部の部長の挨拶と、目標が発表される。





柊輔さんが壇上に上がると、色めき立ち。




大きな溜め息が漏れた。





社内全体に知られてしまった私達の関係だけど、




今でもファンクラブは活動中。





いつか、柊輔さんを誘って飲み会を開こうと企んでいるらしい。





そのせいか、何かと声を掛けられてるみたいだが…



本人は全く相手にしていなくて、




やんわりと彼女達を、かわしている。





だから、特に心配はしていないんだけど。




その現場や、さっきみたいに色めき立つ姿を見ると……




モテるんだな、とか考えて。



盛大な溜め息が出てしまう。






私だって、今でもドキドキする時があるくらい。





格好いいから、あの人達が騒ぐのもわからなくもないけど。







壇上の柊輔さんに、目を向けると。




私の自惚れかもしれないけれど、瞳が合った気がして。




急に顔が火照りを感じて、ブンブンと首を横に振った。






大きく深呼吸して、壇上を見た時にはもう…柊輔さんの姿はなかった。







目標が各部の主任から発表されて、社内全体朝礼は終わった。