朝の眩しい光が、



私を包み込んで目を覚ますとーー。





私のシングルベットではないセミダブルベットに寝ていた。




グレーのシンプルなシーツに布団カバー、枕。





そして、嗅ぎ馴れてる香水の香り。





昨夜の事が蘇って、慌てて飛び起きる。






寝室に続く、リビングに行くと。




ソファーで毛布に包まれて、丸まって寝ている、部長がいた。





そう、ここは部長の部屋。





私は、たぶん起きなくて……仕方なく連れて来たんだ。





ローテーブルには、缶ビールの空き缶と、ノートパソコン。




灰皿と煙草、ライター、携帯、テレビのリモコンが置かれている。





私の前では、吸わなかったタバコ。






外出してる以外で、デスクに居ない時は大概、喫煙室に行けば部長が居ることを。




ふと、思い出した。







寝息を立てる無防備な寝顔でさえ、綺麗で。




歳三さんとはまた違う綺麗な顔をしている。




歳三さんが妖艶な綺麗な顔なら、部長は男らしい綺麗な顔って所かな……








起こすのも悪いし、ローテーブルの脇に置かれていた私の鞄から手帳を取り出して。





御礼と帰ることを書いていると、部長の身体が僅かに動いた気がした…と、





同時にー…ー





「起きてたのか?起こしてくれて…よかったのに…」





いつもの低い声とは違う、掠れた声で、そう言った。





顔だけを私に向けて、覗き混むようにして。







「あっ…気持ち良さそうに寝てたので…起こせなくて。御礼とかだけ書いて…帰ろうかなって思ってたんです。昨日は…すいません…ありがとうございました。」






「気にすんな。俺も同じだったよ…あんまり、気持ち良さそうに寝てるから無理に起こせなかった。」






「本当に…すいません。」





「気にすんなって、言っただろ?疲れてたんだな…酒も付き合わされたんだろうしな。」





「あっ…ありがとうございます。でも…部長のベット独占しちゃって…」





「そんなことは構わない。よくあるんだよ、此処で寝てること…」






「仕事しながらですか?」





ああ。とだけ答えた部長。