「私ね、小学生のときいじめられてて…」
真剣な顔で語り出した莉桜から
目を逸らすことができず見つめる
「中学入ってからは人目を気にして、人に合わせて生活してたらいつの間にか、それが当たり前になって…。
高校入って人ごみに酔って蹲ってる私を助けてくれた千秋ちゃんと友達になれて失いたくないって思った。
合わせてれば大丈夫。嫌われたりしないって。」
なんか凄く
「バカだな」
思った事がつい
口から出てしまった。
「あ、わりぃ…」
しまった!!とバツの悪そうな
顔をする俺に莉桜は怒ることなく
むしろ笑った。
「あはは…本当バカだよね。本当は分かってるの。千秋ちゃんはどんな素の自分を出しても受け入れてくれるって」
「千秋だけじゃない、俺やアイツだってそうだぞ」
これは本心。
まあアイツに関しては憶測だけど。
「先生に対してアイツって…」
さっきの柔らかい微笑みと違って
今度は本当に可笑しそうに笑う。
あ、莉桜こっちの方が全然いいな。

