「わからなくてもいい。これから知っていけばいい。私が教えてあげる」



「千秋…」



抱きしめた腕を離して
綺羅の両頬に触れ



綺羅の瞳に私が映る



今にも泣きそうな顔で
ぐしゃっと顔を歪める




「どこにもいかないで…お前だけは俺から離れていかないでくれ…」



消え入りそうな声で
弱々しく呟く



こんなに大きな身体なのに
心はとても小さくて儚い



普段は偉そうで強いけど
ほんとはとても弱い



まるで子供のときのまま
そこで時が止まっているかの
ような感覚に溺れる




「どこにも行かないよ。ずっとずっとそばにいる。」




綺羅の止まってしまった時間を
針を進めてあげたい。



そんな意味を込めて
私は綺羅の唇に
自分の唇を重ねたーーーーー



ーーーーーーーーーー



その後は先生に途中で
出くわした設定にして
みんなのとこへ戻り



残り少ない時間
花火を楽しんだ。



ただ…その場に
刹那の姿は無かった…



刹那はあの時



何をいいかけたのだろう?