* * *

修学旅行が終わった。   


「なぁ、ルナ、結局遊園地でどこに行ってたんだ?」


学校に帰ってくるなり、景太はルナに尋ねた。

正直に答えるのも恥ずかしくて、ルナは誤魔化すように笑った。


「お前何か隠してるな……?分かった。俺が当ててやる」


景太はそう言うと手を顎に当てて考え始めた。


「ルナの隠し事……ハルのことしか思いつかない……あの場に居た大量の南野女子の生徒……つまり、ハルと何かあったんだな。」


「……当たり」


ルナは少し迷って事実を伝えることにした。


「付き合うことになったんだ。ハルと」


「いつの間に……まぁでもよかったじゃん」


驚いて目を丸くする景太だったが、やがてニカッと笑った。


「お前が嬉しそうでなによりだよ」


少しの間だけだけど……そう言いそうになって慌てて口をつぐんだ。  

大天使の娘を見つけて殺す。そして、自分は魔界へ帰るのだ。

しかし、その限られた時間の1秒でも長く、ハルと一緒に居たかった。   


(ハルに会いたいな……)


ルナは1人で空を見上げ思った。