悪魔の僕は天使の君に恋をする

＊　＊　＊

ルナがホテルを出ると、目の前にハルがいた。


「ホテル、同じだったみたいだね」


そう言ってハルは笑った。


「観に来てくれたんだね」


「うん。お母さんと、涼介と一緒にね」


「涼介君も？」


「うん。……この前、退院したんだ」


「そうなんだ……よかった」


ルナは微笑んだが、ある不安が頭をよぎった。


「ハル、天界には……」


「もちろん、帰らないよ」


「そっか……」


ルナは安心して胸をなで下ろした。


「……ソラがボクの誕生日…3月1日に迎えに来る。それまでは大丈夫。ルナは？」


「僕は分からない……けど、とりあえず3月1日までに、どうにかしないとね。」


「うん……でも今日はそういうのは無し！」


ハルは両手合わせてをパチンと鳴らした。


「折角一緒にいるなら、楽しい時間を過ごしたいな。そうじゃない？」


そう言って無邪気な笑顔を見せた。


「うん……そうだね」


「でしょ！……今日は応援に来たんだ」


ハルはそう言って微笑んだ。


「頑張れ、ルナ」


「うん。ありがとう。……あ、そうだ」


ルナはあることを思い出した。


「あ、あのさ。もしよかったら、デートしない？」


「デート……？」


「そ、そう！大会が終わって落ち着いたら……一緒に出かけよう？」


ルナは顔を赤くしながらハルに尋ねた。


「楽しそうだね！もちろん！」


ハルはそう言ってニッと笑った。

よかった……。ルナは誘いを受けてもらえてほっとした。


「楽しみだな。ルナとデート」


ハルは嬉しそうに言った。


「デートコース、考えておいてね」


「うん……もちろん！」


「さて、その前に優勝しなきゃね？」


ハルは悪戯っぽく笑った。そうだ、今は全国大会の真っ最中だ。

ルナは気を引き締めて頷いた。


「うん。絶対優勝してみせるから、見てて」


その言葉を聞き、ハルはにっこりと笑った。