家に帰って、私は、お屋敷の掃除をしていた。

お屋敷の掃除、基本的に機械を動かして、やってるみたいだけど、たまには、人の手の入った掃除もね……

実は私、掃除は意外と好きで……

5時半になって、玄関のドアが開く音が聞こえて、凌さんだ!と、玄関へ急いだ。

「凌さんっ!お帰りなさい。」

「っ、」

凌さんが息をのんだのが、分かった。

「佑香、そのエプロン…」

エプロン…?

「あ、掃除をしてたので、」

「そんなのしなくていいのに。」

「私がしたくて、やったので!許してください。」

「怒ってる訳じゃないんだ。ただ、佑香が、大変だろ?」

凌さんはなんで、こんなに人のことを考えられるんだろう…本当に尊敬できる…

「大丈夫です!ありがとうございます。」

「ん。」

「あ!そうだ、夜、何が食べたいですか?」

「佑香の得意料理がいい。」

得意…ないんだよね…強いていうなら、

「パエリア…」

「オシャレだな。」

「ふふっ、じゃあ、頑張りますね!」