総長様の溺愛は、甘すぎます。

それから、皆さんと合流して、部屋へと足を動かした。

「花衣、大丈夫か、?」

「大丈夫です。すみません、九条さん…」

なんだろう…大丈夫なはずなのに、さっきから手の震えがおさまらない。

「佑香…」

「ほ、ほら!昼食べよ!」

そんな私に笑顔で、励まそうとしてくれてる水無月さん。

「は、はいっ!すみません、食べましょう!」

大丈夫、思い出さなければ、いいだけだから。

今日は、ソファーに繋げるように、1席ふかふかのひとりがけソファーが置いてあった。

皆さんは、学食のテイクアウトをしたのか、少し高そうな見た目のお弁当箱を開けている。

わっ、美味しそう……

こんなにすごいお弁当を見たら、自分の貧相なお弁当なんて、恥ずかしくなってしまう。

コソッと、隠すように、お弁当の包みをとって、お弁当箱を開けた。

「え!?美味そ~!花衣さんのお弁当!」

「え?」

「自分で作ったの?」

「は、はい…でも、食材がいいだけだと思います…」