「大丈夫?」

「す、すみません!ありがとうございます、」

慌てて、その人の顔を見ないまま、お辞儀をする。

でも、次の瞬間、その人が私を見て、息をのんだのが分かった。

そこで私は初めて、その人をみた。イケメンだけど、なんか、すごく優しそうなお顔の人。

「っ、、あの…あなたの…名前は?」

「名前…?、花衣 佑香…です。」

「…見つけた、」

「へ?」

「佑香…ね、」

ドクンッ、なぜだか分からないけど、私の名前を確かめるように呟いた彼の声色はすごく愛おしそうに何かを思っているようだった。

「あ、すみません!私、これから行くところがあって、」

「どこ行くの?」

「えっ…と…」

なんていえばいいんだろう…

「その、黒のすごくかっこいいところでした…今、探してるんです。」

「まさか、LUPUSの部屋?」

「あ、は、はい。多分、そうです。」

私がそうこたえると、穏やかな表情をしていた彼はいっきに眉毛を寄せた。

「ねえ、あいつらとどうゆう関係…」