私は、その時、確信してしまった。

白鳥 咲 は、間違いなく、私のお母さんだ。

昔、早くに亡くなったお父さんのことを聞いた時、お母さんは話してくれた。

「お父さんはね、すごく病弱な人だったの、だけど、誰よりも優しくて、誠実で、お母さんが唯一心から愛した人なんだよ。」

と……
その時のお母さんの表情は、本当に、愛おしそうにお父さんを、想っているようだった。

お母さんは、今どうしているか……?そんなの…もう、私は、お母さんには会えない……

「え!?佑香!?」

「へ、?」

「なんで、泣いてるんだ、」

凌さんの驚いたような声にハッとする。

頬が濡れてる。私、いつの間に…??

「ご、ごめんなさい。」

手の甲で乱暴に涙を拭う、やだっ、

「佑香、腫れるぞ。」

凌さんに手をとられ、凌さんはハンカチを取り出して、優しく私の目元をふいてくれた。

「ごめんなさい。」

「…花衣、さん、なんで泣いちゃったの?」

水無月さんは、少し遠慮がちで私に尋ねてくれた。

「おい、遥斗、デリカシーがないぞ。」

「凌さん、大丈夫です、話します、」